突撃!あの子んち!

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林ちゃんのバイクのお陰で あっという間に幸村の家の近くまで来れた。 この道をあと300m行った所の曲がり角にあるアパートの一階に、幸村の住んでいる部屋がある。 アパートの入口は曲がり角を曲がった向こう側で、この道沿いに道路とアパートを仕切る壁があり、その向こう側にはベランダへと通じる大きな窓がある。 バイクはどんどんとアパートの横の壁に近づいて行く。 「林ちゃん!ありがとう!」 俺はその場で立ち上がり、 メットについたマイクに礼を言った。 その言葉は林ちゃんの被っているメットの イヤホンに繋がり、林ちゃんに届く。 林ちゃんはなにも言わず、 グーサインで返事をした。 バイクが幸村のアパートの壁の横まで到達する。 俺はジャンプして壁の上に乗った。 正攻法で正面からインターホンで呼び出しても、行為中だったら出るわけがない。 何より急いでいる。 ちょっとでも回り道する時間はない! 俺は幸村の部屋を捕捉し、 窓に向かって飛び蹴りを放った。 ≪バリーーーーーン!!≫ 窓ガラスが吹き飛び、 俺は部屋に侵入することに成功した。 荒れに荒れまくった汚ない部屋の中で ガラスの割れる音に反応した布団を一瞬で捕捉し飛びかかり、掛け布団ごと中の人間を抱きかかえ拘束した。 布団の中に人ひとり分とは思えない体積を感じた。 クソ!!遅かったか!!
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