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「死ね」
「本当に申し訳ない……」
心の中ではやっちまったぜ☆
的なノリだが流石にここは空気を読んで頭を下げる。
布団に包まり俺を見下す幸村が
さらに布団を抱きしめ、
自分を包む力を強くした。
布団からホコリが舞う。
「なぁ?部屋汚くね?」
「アンタ本当に反省してるの?」
幸村の鋭い眼光を首を動かして気持ちだけ除けて、俺は部屋を見回す。
一部屋とトイレとバスルームしかないこの家のキッチンは空き箱に溢れ、シンクにはいつから洗われてないかわからないような食器が積み重なっている。
足の踏み場という物は存在せず、
地面に散らかった本やら服やらを
失礼だが足でどかせて貰って
俺は今いる場所に立っている。
そしてちょっと動いただけで舞うホコリ。
……酷くね?
「なぁ幸村よ。
お詫びと言っちゃなんだが
この家掃除するわ」
「はぁ?イヤよめんどくさい。
つーか早く帰れしんどい」
「この部屋にいたらよくなる物もよくならないと思うんだ。幸村も早く風邪治したいだろ?」
「返事するの疲れるから
お願いだから早く帰……!?」
幸村は片付ける気がないらしい。
仕方ないからその辺に転がっていたビニールの紐で幸村を布団ごとグルグル巻きにする。
これで邪魔する者はいない!
「ハァーハッハッハ!
こんな部屋!一瞬で片付けてくれるわ!」
「ウザいぃぃぃ!帰れ!中二病!!」
俺の闘いが今、始まった。
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