突撃!あの子んち!

31/55
前へ
/714ページ
次へ
「ふぅ~、あらかた片付いたな」 数時間後、まるでゴミ屋敷だった部屋は シンプルかつ住みやすい環境に変化していた。 物凄く達成感だ。 俺は幸村を解放して 生まれ変わった部屋を彼女に見せる。 幸村はキョロキョロと辺りを見回した。 「……ねぇ?テレビの下にあった、 電子レンジはどこに行ったの?」 「……キッチンだけど?」 「……ちっ、勝手なことして」 いや、片付けは確かに俺の偽善だが 電子レンジの上にテレビはねぇだろ!? それをキッチンに戻したらいけないの!? 「あっ、テレビのリモコン…… これ、どこにあったの?」 「あぁ、電子レンジの中に入ってた。 ……なぁ?なんでそんなところに?」 「さぁ?うちにはテレビのリモコン隠す イタズラ好きな妖精がいるんじゃない?」 「あっ、そいつはうちの家にもいるわ」 いつもより饒舌な幸村。 綺麗になった部屋をやたらと 見回しているところを見ると、 口で言っているのとは違って 部屋が片付いて嬉しいのかもしれない。 「ほら、幸村。風邪引いてるんだから、 そろそろ横になれよ?」 「アンタがいるから寝にくいのよ」 「そうなの?俺は風邪引いた時は もうこの世の終わりのような感覚に襲われて 誰かそばにいて欲しかったけど?」 「……はぁ」 幸村はなぜかため息を吐いた。
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7526人が本棚に入れています
本棚に追加