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幸村はスープをあっという間に完食した。
俺は、時々零れる「美味しい」の言葉に
一回一回ガッツポーズしたりなんかして。
「体の調子はどうだ?」
忘れかけていたが幸村は風邪を引いている。
しかし俺の見た所、もう血行も悪くないし、
大分治ってきたと見える。
「ん……大分マシになったかも?」
案の定だった。
「そうか。よかった。
明日は学校に来れるな?」
『でも明日体調が悪かったら
無理せず学校休めよ?』
……って言うつもりだった。
しかしなぜかこの言葉が出た。
それだけ俺は幸村に学校に来て欲しいのか?
「……体調がよかったら行くわ。
いい大学行くためにも早く勉強しなきゃならないし」
「へ~、勉強熱心なんだな」
「いい大学に行けばいい仕事に就ける。
そしたらお金も稼げるでしょ?」
「あ~、やっぱ生活苦しいの?」
「だからわざわざ前の学校辞めて
ここの学校に来たのよ。
授業料も高いし、交通費もかかる。
その点ここは特待生扱いしてくれたから
授業料も安いし、家からも徒歩で行ける。
前の学校よりランクは落ちるけど
そこそこ有名な進学校だし」
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