突撃!あの子んち!

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≪一方、優樹がいなくなった後の学校では≫ ≪悟郎視点≫ 俺は休み時間にお嬢様こと伊集院さんに 放課後、教室に残るよう言われた。 優樹が好きだと思っていたが、 まさかのローリングソバット的切り返し 逆!告!白!か!? ……かと思ったんだけど、 残念なことに教室には俺の他に 真琴、龍、信也と、優樹を除いた いつものメンバーが集まっていたので 軽くガッカリした。 「なんの話だろう?」 信也が机に座りながら言った。 夕日をバックに、妙に絵になってやがる。 「父さんの会社が倒産したんです! ……だったりして?」 椅子の背もたれを抱きかかえるようにして 椅子を揺らしながら座る龍が寒い事を言う。 椅子を揺らすのは、 早く野球部の練習に行きたいからだろう。 「つまんねーギャグをありがと。 みんな感動で2秒程、時間が止まったな?」 真琴が遠回しに『白けた』と龍に言う。 龍ちゃんが 「えっ?いや?狙ってねーし? つーかえっ?真琴?お前そんな下らねー事考えてたのか?うっわ~……」 なんて言うのも聞く耳持たずだ。 「龍ちゃん……小学校の時、 そういう事言って誤魔化す奴いた……」 俺は四つん這いになって 真琴の椅子になりながら、 龍ちゃんを下から見上げて言った。 龍ちゃんはちょっと恥ずかしそうだった。
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