……なんかぶっ飛んでない?あの娘?

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・ ・ ・ 4時間目の授業が終わった。 これから昼休みだ。 「真琴~?お弁当食べよ~?」 教室の後ろの扉が開き、真琴の彼女である瑠奈がひょっこりと顔を出す。 辺りの空気が一気に華やぐ。 同時に真琴に殺意の目線が向けられる。 しかし真琴は全く気にしない。 「おう、ちょっと待ってて」 真琴がカバンを探り始めた。 その間に瑠奈はいつもとは違う風景に気づいたようで俺に話しかけてきた。 「優樹くん?だれ?あの娘?」 「今日から来た転校生」 「ふ~ん……」 と瑠奈は一瞬、思案顔。 幸村をチラ見し始める。 ……なぜか少し嬉しそうだ。 「私、B組の西園寺 瑠奈! ……よろしくね?」 『『こいつ!自分と同じ友達がいないオーラを感じとって、積極的に友達になりにいきやがった!』』 真琴と俺の心の声が重なった。 「…………」 しかし幸村はやっぱり無視。 それでも瑠奈は全く諦めない。 「ねぇねぇ、名前はなんていうの?」 「…………」 「ヒポポタマス・ジェーンさんだ」 真琴が瑠奈に適当な事を言う。 ……なんというネーミングセンス。 「……と、特徴的な名前だね?」 信じた!!? 瑠奈は真琴の言った事を全く疑いもせずに、 頬杖をついて不機嫌そうな顔をする幸村の顔を正面から見て話しかける。 「ヒポポタマスさん、私と友達にならない?」 ……はたから見ていて バカにしているようにしか見えない。 「…………ねぇ?」 幸村がついに声を発した。 「……友達って必要なの?」 本当にわからない。 ……といった表情で幸村は瑠奈に聞いた。 .
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