バレンタインデーってなんだかんだいって楽しみだよね?

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「おーい、優樹ー!こっちこっちー!」 真琴に連れられてやって来たのは 龍と信也の教室だった。 教室に入ると龍が自分の席で 手を振って俺を手招きしてきた。 龍の席には人だかりができていて、 信也と悟郎もそこにいた。 龍の机の上には赤、茶色、黒の袋に小分けされた市販のチョコレートが大量に積まれていて、みんなでそれを食べていた。 「俺からのバレンタインデーだ! 喜びやがれ!」 龍がそう言うと、 周りの男たちが『ヤッホー!』 などと騒ぎ始めた。 ……うん、男たち。 周りに男しかいねぇよ…… 「ほら、優樹も食べよ?」 信也が俺に赤い袋に入ったチョコを 2、3個ほど俺に放る。 う~ん…… 「ちょっといいか?」 俺は真琴と悟郎と信也と龍を近くに呼び、 周りに聞こえない程の声量で話した。 「俺、チョコ嫌いなんだ」 「「「「えっ……?」」」」 なぜか四人は俺の方を見ながら 数秒ほど動かなかった。
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