バレンタインデーってなんだかんだいって楽しみだよね?

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≪そして翌日≫ 朝起きて弁当を作り、家を出る。 今日は美咲は来なかった。 ……まぁ理由は察しているが。 真琴は今日も俺が起きる頃には 家に居なかった。 今日も瑠奈の所に行っているのだろう。 いや、実は昨日、俺は真琴が 深夜に家を出て行くのに気づいた。 実は外泊もしてるんだろうな。 そのためのカモフラージュの早起きか。 ……うん。最近瑠奈の顔見るのが気まずい。 ・ ・ ・ 「お~い!優樹~!」 しばらく歩いていると 悟郎が後ろから手を振って走ってきた。 俺は軽く手を振り返して 悟郎が隣に来るまで立ち止まる。 「いや~!今日も寒いな!」 「あぁ、春はまだまだだな」 普通の会話に聞こえるが、 悟郎のテンションが異常に高い。 ついでに言うと髪の毛がしっかりセットされているし、身体から無駄にいい匂いがするし制服にきっちりアイロンがかかっているし、吐く息からミントの香りがする。 平常を装っているが気合い入れ過ぎだ。 つーか今日、気合い入れても意味ねーだろ。 チョコの準備は昨日には終わってんだぞ? 「は~っ……おぉ、悟郎。 息がめちゃくちゃ白いぜ?」 でもまぁ俺は言わないでやる。 俺っていい奴だな~ 「あれ?優樹の息、ミントの香りするな? つーかいつもよりしっかり髪の毛セットしてね?つーか制服パリパリだな?あと優樹からほのかにラベンダーの匂いが…… ……あっれ~もしかしてお前、 バレンタインデー意識しちゃってんの~? うっわ~興味ないふりして~だっせぇ~」 「お前に言われたくない!!」
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