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「つ~かさ~!お前とか別に
気合い入れて来なくてもよくね?
ど~せ貰えるんだろ?
何個ですか~?三桁~?」
「……なぁ悟郎。
例えばチョコを200個貰えたとする。
お前はどう思う?どうする?」
「死ぬほど嬉しい。
チョコレート溶かして
全身にコーティングする」
「……その発想はなかったわ。
つーかさっぱり意味がわからん。
……じゃあその時は嬉しいとして、
一ヶ月後のホワイトデーどうする?」
「そりゃまぁ一個一個心を込めて作るさ」
「業務用のチョコレートと買って
溶かして固めて包装してをしたとして
一個作るのに必要な経費は50円だ。
一個なら格安だろう。だか200個だぞ?
トータルすると1万だ。
つまりバレンタインデーっていうのは
好きでもないチョコレートを渡され……」
「なぁ優樹。お前今、
とんでもないこと言おうとしてるだろ?」
「……ん。自重するわ」
「マジでそれがいいと思う」
と言いながら悟郎は手で
口元を隠しながら笑ってやがる。
……だが笑い事じゃねぇんだよな~
「真琴はいいよな~
つきあってる可愛い彼女がいて、
その娘からチョコ貰えんだぜ?
チョコ200個よりも
その1個の方が価値あるだろ……」
「だな。
死ぬ覚悟で一発ぶん殴ってやろうか?
……ん?
おい優樹。噂をすれば……」
悟郎が声を潜めて
道の向こうの方を指差す。
指差した先には当然真琴と瑠奈がいた。
俺たちは隠れてふたりの観察を始めた。
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