……なんかぶっ飛んでない?あの娘?

11/22
前へ
/714ページ
次へ
「う~ん、私は友達がいた事がないからわからないけど……」 「私もそう。いた事は……なくはないけど、いる必要性がわからない」 なんて残念な会話なんだ!? 「でもいた方が楽しいと思うよ?」 「……そうかしら?」 「うん!きっと楽しいよ!」 そう言った瑠奈の笑顔が 眩しいこと眩しいこと…… ……悟郎は吐血していた。 「……でも意外ね。あんたは友達とかバンバンいて学校生活を楽しんでるタイプに見えたんだけど?……前の席のアレみたいに」 「全然!誰もそばに寄って来ようとしないし、やたらと逆恨みは受けるし、そんなの全くないよ! ……だから同じ境遇なはずなのに友達に囲まれて楽しそうにしてるの見るとたまにイラってくる!」 瑠奈……お前……俺の事嫌いだろ……? 「あんた、彼氏とかはいるの?」 「いるよ。……ね?真琴?」 「…………俺に話をふるなよ」 真琴がイヤそうな顔をする。 瑠奈のために仕方なく…… ……といった感じで真琴が会話に参加する。 「……こんなのとつきあってて嫌にならないの?」 「最高の褒め言葉ありがとうございます」 真琴が澄まし顔で言う。 しかし瑠奈には冗談では済ませないようだった。 ……一切、冗談とは思えないが。 「全然!嫌にならないよ!真琴は優しくしてくれるし!ホント楽しいし幸せだよ!?」 「……なんていう公開処刑だ?」 しかし真琴はどことなく嬉しそうだ。 「ふ~ん、リア充してるのね?」 「そっちの方はね?でも……女の子の友達はいないから……友達が欲しいの!」 「ずいぶんと強欲ね?」 「真琴の彼女だもん」 「おい、それはどういう事だ?」 そういうことだろ……と心の中で返事。 しかし会話に参加できない。 するきっかけが見つからないから。 ……さみしいです。 「だから……友達にならない?」 自信のなさからか少しずつ弱くなる口調。 ……だが、瑠奈は本気だった。 幸村も少し押されていた。 「…………考えとくわ」 幸村はそう言って席から立ち上がり、教室を出た。 「期待してるから~!」 幸村が教室を出る時に、 瑠奈が手を振りながら言った。 それを見た幸村は少し笑っていたように…… ……俺には見えた。 .
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7526人が本棚に入れています
本棚に追加