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龍をなんとか説得し、
いつも通りの雑談をしていると
荒っぽく教室のドアが開いた。
横目でそれを確認すると、
幸村が怠そうに欠伸をしながら
教室に入って来た。
……さてと、っと。
ガムを包み紙に捨てる。
手を壁にして息を吐き、口臭を確認。
……よし、いい匂い。
襟の匂いを嗅ぐ。
……よし、いい匂い。
肌はツルッツル。
髪の毛はしっかり整ってる。
服にはシワひとつない。
幸村が丁度俺の後ろにやって来た。
俺は最後に前髪を弄って
後ろを振り向く。
「よぉ!幸村……」
「はい、伊東 悟郎。
ハッピーバレンタイン」
ーーーーーーーーー
「おーい、兄貴ー?生きてるー?
……ん?
生きてない!?心臓止まってる!?」
「おい兄貴!しっかりしろ!」「早く!心マ!あと救急車!」「俺!AED持って来る!」「頼んだ!龍!」「おい!?優樹!?どうした!?」「きゃーーーーー!!」「おい!どうなってんだ!?」「戻って来い!バカ兄貴!」「死ぬな!優樹!」「えっ?なになに?どうした~?……ウオッ!?」「きやーーーーーーっ!」「大変だ!」「電話……」「電話ならやってる!黙ってろ!」「お、織田くんごめん……」「優樹!」……
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