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「おかしい……おかしい……」
生徒会役員が全員帰った生徒会室には
椅子にもたれ掛かって呟く俺と、
俺の側で俺を見ながらニヤニヤする
いつもの男メンバーだけが残っていた。
「まぁそりゃバレンタインデーに
チョコ持ってくるなはねーわな」
「しかも理由は自分が貰い過ぎて辛いからだろ?全国の貰えなかった子が発狂するぜ?兄貴?」
「……あっ、そうだ。
お前らチョコとか好きだよな?」
「「いらねーよ。そんな屈辱的なもん」」
悟郎と龍が吐き捨てるように言う。
と言われてもな……
俺は生徒会室入り口近くの壁の側の
エナメルバックだけでなく、
紙袋4つ分にも増えてしまった
バレンタインのチョコを見て思わずため息をつく。
推定200個。
一日で全部食おうものなら、
カカオの致死量超えて死ぬだろう。
「凄かったね。昼休み」
「あぁ、いつもの事だけど
他校からもうちの学校来て
優樹チョコ渡しに来たもんな」
遠くからわざわざありがとう。
気持ちは嬉しいけど……
嬉しいけど!!
「……くっそ~!生徒会メンバーが
全員非リア充だったら……!!
バレンタインデーなんてイベント……」
「お前すごい事言うのな……」
「いっそのこと、クッキーだけ残して
チョコ全部溶かしてそのまま
ホワイトデーでお返しすれば?」
「いや、人の気持ちを
無駄にするわけには……」
『『『なんでそこだけ律儀なんだよ…』』』
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