粘着質でエロいストーカー兄弟

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・ ・ ・ 『あ、ごめん。待った?』 『大丈夫。 ちょっと前に着いたばっかりだから~』 この辺りの待ち合わせ場所として よく使われる駅前の広場で 制服から私服に着替えた幸村と瑠奈が合流した。 それを俺たちは近くのファーストフード店の オープンカフェでジュースを飲みながら 堂々と見守る。 「ふざけてるわねあのクソ女。 瑠奈を1時間待たせてどの口が言うのかな?」 正面で笑顔の美女が毒を吐く。 説明するまでもなく真琴だ。 ちなみにこの作戦中の呼び名は 『なっちゃん』だ。 母さんの名前をフレンドリーに 呼んでみたらこうなった。 「まぁまぁ。でもなっちゃん? 瑠奈が普段より早く来ちゃった だけかもしれないじゃない?」 「春香…あの娘の性格わかるでしょ? あの娘は相手を待たせないように 必ず早く待ち合わせ場所に行くような娘よ? そんなの誰にだってわかるでしょ?」 春香というのはこの作戦中の俺の呼び名。 ちなみに母形のお婆ちゃんの名前だ。 ……にしても俺ら違和感ねぇな!? 喋り方とかホントもう完璧だな!? スゲーな!?俺ら!? 「まぁまぁ、幸村さんのあの態度見た感じだと、幸村さんも時間はちゃんと守ってるみたいだし……」 『あっ、30分も遅れてた…… ゴメン。部屋の掃除してたら 完全に時間忘れてたわ』 『だから大丈夫だってば。 私も生徒会の用事のせいで遅れてたから。 あれ?メールしたと思うんだけど……?』 ……完全に幸村が悪かった。 そしてケータイでメールを確認する幸村。 反応を見ると瑠奈から遅れるというメールが 届いていたらしい。 まさか!? 遅れた幸村に罪悪感背負わせないように そのメールを送ったのか!? なんていい娘なんだ!?瑠奈!?
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