粘着質でエロいストーカー兄弟

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しばらくして瑠奈がリードする形で ふたりは歩き始めた。 俺たちもそれにごく自然に 会話しながら着いて行く。 途中でふたりはコンビニに入って行ったが、 盗み聞きした会話の内容から次の行き先が 某ファミリーレストランだとわかっていたのでそのまま先回りする事にした。 「……なぁ真琴?気づいた?」 俺は真琴にこっそり話しかける。 「……とっくの昔に気づいてる」 真琴は嘆息し辺りを見回した。 俺たちの後ろを歩く男子軍団、 さっき道の反対側を逆方向に歩いていた集団だ。 普通に話してはいるが、 チラチラ俺たちの方を見て 俺たちの会話に聞き耳を立てている。 すれ違う人間は男女問わず、 髪型を整え、少しだけ俺たちの会話に聞き耳を立てる。 ……行動は同じでも理由は違うだろうが。 そう。周りの人間が 俺たちの一挙一動に注目しているのだ。 正直言って女装頑張り過ぎた。 目立つのだ。ストー……人を追うには 適さない程、あまりにも目立ち過ぎるのだ。 後ろの集団は先ほどのこそこそ話を聞き取る事ができなかったようで更に集中して聞き耳を立てている。 仕方ないので俺は真琴と アイコンタクトで話をする。 『スリルが欲しいからこんな事やってはみたが……これは失敗だったな?』 『いやいや、瑠奈がいない今が、 この危機を乗り越える最大のチャンスだろ? むしろこの状況をどう乗り越えるのか? ……それを楽しもうじゃないか?』 真琴…… いや、なっちゃんはニヤリと笑った。
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