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「よう……優樹……」
教室から出た所で龍と信也と出くわした。
信也はいつも通りだが龍の元気がない。
「おう。……どうした?死にかけだぞ?」
俺がそう聞くと龍は
「えっ!?いやいや!そんな事ねーし!」
と明らかにそんなことある様子で返事してきた。
「龍がさっき学年主任に呼ばれてね、
このままだともう1年2年生をやることになるらしいよ?」
龍の代わりに信也が代弁。
龍の表情がますます死んでいく。
仕方ないので俺は龍の肩に手を置いて慰めの言葉をかけてやる。
「……大丈夫!例え学年は違っても、俺たちは友達さ!」
「シャレになんねーからやめてくれ!」
龍は涙目だった。
「……んで、龍はこれから補修。
だから今日は一緒には昼飯食えないらしい」
「補修なんてサボって一緒に飯食おうぜ!☆」
「今回はマジで無理なの!!」
龍の本気度半端ねぇ。
……まぁ、そろそろ冗談はやめにしよう。
「……とは言ったけど、俺も今、幸村探そうとしてるところだから飯は一緒には食えねーわ」
「幸村?さっき階段登って行ったの見たよ?」
「おお!それはいい情報だ!さすがは信也!」
階段登って……ってことはノリ的に屋上かな?
さっさと追いかけよう。
「んじゃ!俺行くわ!」
「ん。俺も真琴たちに合流するよ。
早くしないと悟郎が憤死する」
冗談にならないから困る。
下手したら本気で悟郎死ぬ。
「…………頼んだ!」
と一声かけてダッシュ!
龍の「補修イヤだぁぁぁぁ!」
というはた迷惑な大声を尻目に走った。
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