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「はぁ~バレちゃったか~」
真琴ことなっちゃんが頭を抱える。
……母さんの声で。
「ごめんね~瑠奈ちゃん。
優樹がどうしてもふたりのこと気になるって
言うから手伝ってあげちゃった♪」
こ、コイツ!この時のために
母さんの変装しやがったな!?
「あっ、やっぱり
お母さんだったんですか?」
なんの疑いもなく信じる瑠奈。
………させんぞ!!
「いや瑠奈ぁ、ぁぁあっ……」
背中に鋭い物の感触。
あっ、ダメだ。喋ったら殺される。
「ホントごめんね~?瑠奈ちゃん?」
「いえいえそんな!
お母さんは悪くないですよ!」
話がどんどんうまく進んでいく。
幸村も母さんを知らないためか、
ずっとなっちゃんの方を睨んではいるが、
瑠奈を信じて、目の前にいるのが
母さんだと疑っていない様子だ。
見えている所でなす術なく嵌められていく。
NTRってこんな感じなのかな……?
「じゃあ私、これから用事があるから。
あとはごゆっくり~♪」
と、母さんそっくりの仕草で手を振り、
踵を返し悠々と歩くなっちゃん。
見ていて死ぬほど悔しい。
「ところで優樹くん?」
なっちゃんに手を振った後、
瑠奈は笑顔で俺の顔を見た。
「なんで真琴はお母さんの格好してるの?」
……真琴がずっ転けるのを始めて見た。
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