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それは日常にありふれた
どこにでもある会話だった。
最近、仲良くなってきた瑠奈と幸村の会話を
盗み聞き……瑠奈と幸村の会話が
たまたま聞こえてきた事によるものだ。
「ねぇねぇ、そういえば詩織ちゃんって
誕生日いつなの?」
「ん?2月26日」
「あっ、近いね!
ていうか修学旅行の日?」
「そうね」
・
・
・
「……という訳で真琴くん。
幸村の欲しい物を幸村にバレない様に
調べてきてはくれないか?」
「……イヤだ」
事の始まりから事細かに説明したというのに
真琴は心の底からイヤそうだ。
「そこをなんとか!」
「……イヤだ」
「頼むって!
アイツの喜ぶ顔が見たいんだ!」
休み時間のトイレで拝む様にして
真琴に頼み込む。
今トイレには俺と真琴、
そしてもうひとり、個室に悟郎がいる。
なんでもエリナのバレンタインデーのクッキーを間違えて喰ってしまったらしく苦しそうだ。
どうでもいい話だが、
なぜ悟郎の個室の方から
高濃度のバラの香りがするのだろうか?
「お前本気じゃねーか……」
真琴が飽きれた表情をする。
そして「はぁ~」と仕方ないな……
と言わんばかりにため息をついた。
「ここの床舐めたらやってやるよ」
コ イ ツ ……
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