学問を修めるから修学旅行なんだって。…そんなもん知るか

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その後、飛行機は墜落する事もなく 目的地にたどり着いた。 トランプしたり、 コ○ンで一番好きな女性キャラの話など していたらあっという間に感じた。 ……俺はコ○ンの ヒロインは灰原だと思っている。 空港で点呼を取ってまたバスに乗る。 今回はちょっとだけ勇気を出して 窓際の席にひとりで座っている幸村の隣に座ってみた。 「……他行ってくれる?」 「そこまでイヤですか。そうですか」 なんて言いながら 俺は椅子に深く腰かけノビをする。 動かねーぞという意思表示でもある。 幸村は「はぁ」とため息をついた。 「悪いんだけど紙袋貸してくれない? エチケット袋作りたいから」 「吐くほどイヤか!?」 「なんなら口開けててくれる? アンタが全部処理してよ? 好きでしょ?そういうの?」 「そんな特殊過ぎる性癖なんてねぇ!」 この女…… まぁ待て優樹よ。落ち着け。 ここは冷静になれ。 紳士的に対応しろ。 「あっ、言っとくけど……」 俺は素っ気なく言う。 大人な俺が 器の大きさを見せつけてやる! 「お前のなら いくら食らっても平気だぜ」 幸村が長い前髪越しでもわかるほどに目を見開き、顔を真っ青にして、急いでビニール袋を開いて嘔吐した。 信じてくれ……俺は 『お前の罵声なんて受け慣れてるから いくら食らっても平気だ』 ……っていう風に言いたかったんだ…… 俺の黒歴史が更新された瞬間だった……
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