学問を修めるから修学旅行なんだって。…そんなもん知るか

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「おいし!これホントおいしい!」 と次々とカニを口に運ぶ幸村。 食べやすいようにカットされているからか そのスピードはなかなかに早い。 いや、でもね?幸村さん? 美味しいのはわかるけどね? もうちょっと味わって食べようぜ? そのカニホント高いのよ? しかしそんな事をいうわけにもいかず、 俺は次々と消費されていくカニを 眺める事しかできなかった。 「あっ、いつの間にか最後か……」 そしてあっという間に足一本となった。 幸村は物惜しそうにそれを見て…… 口に運んだ。 食べ始めてから現時点まで おおよそ3分ほど。 高いカニは甲殻だけを残して あっという間に姿を消した。 でも幸せそうに口をモグモグする 幸村を見てるとまぁこれでよかったかな? って思えてくる。 「あーっ、おいしかはぁっ!? ……ゲホッ!ゲホッ!」 幸村が咳き込む。 どうやら気管に何か入ったようだ。 「おい、大丈夫か?」 「大丈夫……ゲホッ!ゲホッ!」 大丈夫に見えないんだが? 「ゲホッ!ゲホッ……うぷっ!」 幸村はハムスターのように ほっぺを膨らませた。 そしてゴミ箱を引き寄せて…… 「オエェェェェェェェェェエエエ!!」 1万9800えぇぇぇぇぇぇぇぇんっっ!!!! 8のマジックにより実際は2万に近いのに なんかお得に感じるカニさんは 嘔吐物となってゴミ箱に吸い込まれた。
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