学問を修めるから修学旅行なんだって。…そんなもん知るか

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・ ・ ・ ≪そのころ……≫ ホテルの前を重い足取りで歩く 4人組の姿があった。 「だめだ、俺、もう吐きそう……」 「我慢しろ悟郎…吐いたらもったいないぞ」 「あぁ……本場のラーメン屋 食べ尽くそうなんて言うんじゃなかった…」 「俺、3件目でもうムリだったのに…… お前らってやつは…… もうしばらくラーメン食いたくないよ……」 「「「同じく……」」」 悟郎、真琴、龍、信也がそれぞれに 苦言を漏らす。 彼らはテンションに任せて ラーメン屋を6件もハシゴしたのだ。 「ん?おい、あれって……」 龍がホテルの入口の方を指差す。 その先には明らかに元気のない瑠奈がいた。 「よう瑠奈。どうした?元気ないぞ?」 真琴が瑠奈に声をかける。 瑠奈は真琴の方を見ず、 光のない目でブツブツと話す。 「ははは……友達ご飯に誘ったのに…… ドタキャンされちゃった…… そりゃそうだよね……私なんかと 一緒にご飯なんか食べたくないよね……」 「いや、なんかどうしようもない 事情ができたんじゃないか……?」 あまりの暗さに真琴はタジタジだ。 そして優樹の事を思い出し、 こめかみを押さえた。 「同じ部屋の子誘おうと思ったけど…… なんかふたりでケータイ見ながら 『ははは、いやー、今日はいいネタが手に入りましたな。予定変更でござる。これからふたりでこのバラの世界について語り合いましょうぞ』 ……とか言ってて話に入れないし」 『ごめん……それ売ったの俺だ……』 真琴は瑠奈から目を逸らした。
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