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「私、中学のころとか自分は
リアクションで人を笑わせるタイプの
人間だと思ってたんだよね……
学校行ったら上靴に納豆敷き詰められてて
わざとそれ履いて笑わせたり、
トイレでいきなり水かけられて
なんか反応して笑わせたり
修学旅行でひとりだけ放置されて
みんなを笑わせたり……
でもさ、今考えてみたらこれ、
私、笑わせてないよね……
ただ笑われてただけだよね……
ただのイジメだよね……
まぁ気づいてたんだけどね……
ただ認めたら心が折れそうだっただけで…」
「瑠奈さん!俺らこれから飯食いに行くんだけど一緒に行かね!?」
真っ先にそう叫んだのは
真琴ではなく龍だった。
あまりにハードな話に
もはや聞いてなどいられなかった。
腹がいっぱいとかいってられなかった。
「そうそう。俺らさっきまで
ゲーセンで遊んでてさ~
まだ飯食ってないんっすよ~!」
「真琴がガンゲームうまいのなんの。
ひとりだけコンティニューなしで
クリアーしたりするから、
俺たち躍起になってやり過ぎて
すごく時間使っちゃったんだよね」
「お前ら俺に勝とうなんて
10光年早いんだよ。
……しまった10光年は時間じゃない!
……距離だ」
真琴と悟郎は当然の事ながら
あの信也さえもが話を合わせる。
信也でさえあの話には
半端じゃないダメージがあったようだ。
「でも、私なんかと……」
と落ち込みまくっている瑠奈は
自虐的になる。
真琴はそんな瑠奈の頭を優しく撫でた。
「バカ言うな。俺たち……特に俺は
お前と一緒に食いたいんだよ。
そんな自虐的になるなよ?
俺が惚れた女だぞ?自信持てよ。
向こう何か事情があっただけに決まってる」
そして瑠奈の頭を引き寄せて
軽く抱きしめるようにして
耳元でボソリと呟く。
「自信がないなら教えてやる。
俺はお前が大好きだ」
「……ありがと」
瑠奈は服の裾で涙を拭き、
4人に元気な表情を見せた。
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