学問を修めるから修学旅行なんだって。…そんなもん知るか

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・ ・ ・ ≪1時間後≫ ホテルの廊下をナメクジの様に トロトロと進む4人の姿があった。 「あかん……ほんまあかん……」 「悟郎……耐えろ…… 頑張れ……あと少しだよ……」 「もうイヤ……ラーメンとか……」 「吐くなよ悟郎…… ホテルの廊下で吐くとか マジでありえねぇからな…… 部屋に入ったらトイレで吐け……」 悟郎、信也、龍、真琴が 真っ青な顔で歩いていた。 瑠奈の前で普段通りを演じ、 ホテルまで一緒に帰ったため、 トイレに行く事すらできなかったのだ。 瑠奈はエントランスで幸村と偶然出会い、 幸村が謝りたいと言ってきたのでそこで別れた。 部屋の立地条件上、 真琴たちの泊まっている部屋の方が エレベーターから近かったので 龍と信也も真琴と悟郎に着いて来た。 ふたりとも早く座りたいのだ。 息も絶え絶えに部屋のドアを開け、 倒れこむ様に近くのベットに寝転ぶ4人。 と、そこでバスルームのドアが開き、 中から浴衣を着て、バスタオルで頭を拭く 優樹が顔を出した。 「あれ?お前ら遅かったな?」 「「「「まぁな……」」」」 4人は絞り出す様に返事をする。 優樹は首を傾げる。 「……食い過ぎか? なら治まったら風呂行けよー? ……まっ、どうせ後で腹減るだろ? 夜食にカップラーメン買っといたから。 俺の奢りだ。喜べ」 「「「「オマエシニタイノカ……?」」」」
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