俺はあいつを笑わせたい!

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「……というわけで真琴! 幸村を笑わせるにはどうしたらいい!?」 「どういうわけかを先に言え」 翌日の朝、幸村に通じるものがある真琴に幸村を笑わす方法を聞いてみた。 ……なぜ昨日のうちに聞いておかなかったって?帰る頃には忘れてたからさ。 んで、今日、登校して幸村の顔見て急に思い出した。 「実はかくかくしかじか……」 「……あぁ、なるほど」 「通じた!?」 横にいる悟朗が驚いていた。 「んでお前ならどういう時に笑う?」 「……なぜ俺に聞く?」 「お前ら似てんじゃん?だからお前が笑う時に幸村も笑うんじゃね?……的な?」 真琴が露骨に嫌な顔をする。 「知るか、俺は気分で笑う」 「あいつが気分で笑えるとは思えねーから聞いてんじゃん。……他には?」 「知るか、一発芸でもやれ」 一発芸か…… 「よし!やろう!」 「「やんの!?」」 真琴と悟朗が めちゃくちゃ驚いた表情になった。 俺はそれを無視して後ろを振り返り、 机にうつぶせになっている幸村に話しかける。 「幸村!幸村!」 「…………なに?朝からテンション高くて羨ましいですね?でも低い人間もいるんだからその辺考慮しろKY」 起こされた幸村は超不機嫌。 ……でも!この表情がすぐに笑顔へと変わる! 「アイ~~~~ン!」 「………………」 「カトちゃんペッ!」 「…………………マジで死ね」 心の底からウザそうな表情でそう言った後、幸村は再び机にうつぶせになった。 俺はそのまま真琴たちの方を向く。 「笑わねーじゃん」 「「「笑えるか!!!!」」」 教室中から総スカンを喰らいました。
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