俺はあいつを笑わせたい!

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「……そ……そう……わかったわ。技術ね……」 幸村は来た道を折り返してフラフラしながら歩いて行った。 「……なんだ?あれ?」 「知るか」 と真琴たちがそれを見て言う。 なにか引っかかるものを感じた。 今までのことを頭の中で整理していく。 急な転校…… 昼食をとらない…… ボロボロな教科書…… さっきの動揺…… それらが俺の頭の中でパズルのように組み合わさり、やがてひとつの答えを導き出す。 「そうか!金がねぇんだ!」 金がないから遠くにあるであろう前の学校を辞め、交通費を減らした。予想でしかないがここでは特待生扱いで授業料も安いのだろう。 そして金がないから中古の教科書を買い、昼メシを我慢していた。 「あぁ~なるほど~」 「まぁそんなところだろうな」 悟朗と真琴も納得する。 真琴の反応からして真琴はすでにそれに気づいていたのだろう。 「真琴!幸村を笑わしてやる方法を見つけたぜ!」 「なにを言おうとしてるかはわかってるけどとりあえず聞いてやる」 「クソうめぇから揚げを作って幸村に食わしてやる!」 「高木さんとお嬢様に殺されなければいいけどな」 ……体が震えました。
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