俺はあいつを笑わせたい!

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・ ・ ・ 「……どうしてこうなった?」 「作ったの俺だけど、その俺も聞きてえよ……」 俺はただプリントにある通り作っただけ。他に変な物を加えたりなんかしていないし、する気もない。 料理が得意なわけではないが、 本などを読めばだいたいは作れる。 料理に関してはそんなレベルだった。 自信があったわけではないが、 ワクワクしながら油から上げたから揚げ。 まさかそのから揚げが 血管みたいな物が浮き出していて、 それがピクピク動いているなんて思いもしなかった。 「なんか変な事したのか?」 「なにも……だいたい今まで料理が下手な奴見て、『なんでレシピどうり作るだけなのに下手になるんだろ?」……って思ってた」 「いや、これは別のあれだろ ……なんか思い当たることある?」 「……ない。あえて言うなら ………俺の血がかかったくらいだ」 「……お前、人間?」 「父さん見てると違うんじゃないかって心配になるけどな……人間なはず」 「「はぁ~」」とふたりでため息をつく。 しかし問題はこれからだ。 ≪ギチギチギチギチギチギチギチ≫ 変な音まで発し始めたこのから揚げをどう処理するかだ。
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