俺はあいつを笑わせたい!

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・ ・ ・ ≪幸村 詩織 視点≫ なにも考える事はない。 ただひたすらお腹が空いた。 今日の調理実習を期待していただけに その空腹感はハンパじゃない。 人間とはなんと不自由な生き物なのだろう? ナメック星人になりたいと思うこの頃。 教室に入って自分の席につく。 なにも入っていないのはわかっているのに無意味に机の中を探ってみる。 ……末期だ。 『俺たちの冒険はこれからだ』 的な末期だ。 しかしそれは意外と無駄ではなかったようだ。 机の中にラップような 感触がする物が入っていた。 慌ててそれを取り出すと、 それは焼きそばパンだった。 そしてそのラップの上には貼り紙が貼ってあった。 『この焼きそばパンやるから今日の昼休みはなるべく席を立たないでほしい!by山口 優樹』 舐められたものだ。 こんな物でいう事を聞くわけがない。 ≪ぐぅ~≫ ……聞くわけが≪ぐぅ~≫ ………… ……きく≪ぐぅ~~~~≫ …………… ……今日だけは優しくいう事をきいてやる事にした。
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