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「喜べ。その毛束が真っすぐでざんばらな髪と、その髪形によく合って小顔に見えるメイクetc……によってお前はマジで兄貴好みになった」
「あっ、うん……」
なんだか現実味が沸かない。
もしかしたらこれも特殊メイクなんじゃないかと思って後頭部辺りで糸を探したり頬っぺを抓ってみたりしたけど何もなかった。
なんだか……自分で言うのもなんだけど
かなりいい気がする。
「優樹くんきっと喜ぶよ~?」
「うん……」
「そろそろ学校行くぞ。
もうちょっとで兄貴が出発する時間帯だ。
校門の前ででも待ち構えておけ」
「うん……」
手鏡を放す事を忘れていた。
でもなぜか手放したくなかった。
新しいフィギュアでも買って
眺めてるようなそんな感じがした。
「山口 真琴……」
「ん、なんだ?」
「ありがと……」
「驚いた。お礼ができるのか。
兄貴に言ってやれよ……いや、マジで」
そうなのよね……
それができなかったのよね……
本当は……自分に自信が持てなくて……
でも……少し自分に自信がついたし……
「頑張ってみよっかな……?」
「「空回りフラグ乙」」
「お前ら表出ろ」
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