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≪瑠奈視点≫
私と真琴は校庭の端の茂みの側で
迷彩柄のシートに隠れ、双眼鏡を構えて
優樹くんを待つ詩織ちゃんを観察していた。
「コードネーム決めるぞ。
俺はマイク。瑠奈はライマ」
「ライマ?私はR U N Aで頭文字『R』だからロメオではないか?」
「ロメオは男の名前だからダメだ。
L U N Aの『L』でライマ」
「了解。マイク」
マイクこと真琴はシートからはみ出ないように私の方に詰めている。そのため私たちはかなり密着した状況。
外は寒いのにこの中は蒸し暑い。
……でもイヤじゃない。
「マイク。勉強後の
『こたつ大戦争』を思い出すぜ」
「アレは熱い戦いだった。
いつも私の圧勝だがな」
「マイクは足の裏が強すぎるぜ」
「人の頭をよく踏んでたからな」
「懺悔して悔い改めろ」
「さーせん」
全く反省していない様子の真琴。
まぁ、実はわりとしてて今はやり過ぎないように心掛けてるの知ってるんだけど。
……ちょっと
いじわるして脇腹を突ついてやる。
「ひゃっ!?」
真琴が驚き飛び上がる。
「マイクは脇が弱いな」
「よろしいライマよ。第30次くらい
コタツ大戦争の宣戦布告と見做そう」
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