終わりだと思った?イザナミだ!

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「ライマ。ヤンキーが来た」 ついに優樹くんが校門近くまでやって来た。 ちなみに私たちのコードネームは 名前の一番最初のアルファベットをフォネティックコードというミリタリーで使われる物に変換した物だ。 例として Aはアルファ。 Bはブラボー。 Cはチャーリー……といった感じだ。 そして優樹くんのYは『ヤンキー』なのだ。 酷くマッチしたコードネームだ。 ちなみに詩織ちゃんはシエラである。 「シエラがヤンキーに接触しようとしている」 優樹くんが校門の近くまでやって来た。 校門の側で詩織ちゃんが息を整える。 その間に私たちは盗聴器を耳につけた。 ……ドキドキする。 「……おはよう。優樹」 カワイイ!! 恥ずかしくてしおらしくてカワイイ!! モジモジしててカワイイ!! ……取り乱した。 さて、優樹くんの様子は……? 「おはよう」 とミーハー女子を失神させたという伝説がある爽やかイケメンスマイル。 そしてそのまま詩織ちゃんの横を 通り過ぎようとする。 ……あれ!? 「マイク!?どういうこと!?」 「……どうやらヤンキーは日頃からよく女から声をかけられ過ぎているようだ。そのため相手を不快にさせずに軽い挨拶だけでその女をスルーするスルースキルが身についてしまった。そのスルースキルがまさに今、遺憾無く発揮されたと言うわけだ。このマイクの最高のメイクにより本来の姿より数倍外見がよくなったシエラは……」 「永井産業」 「幸村さん変わり過ぎてて 兄貴全く気づかなくて 軽く挨拶だけしてスルーした」 「把握した」
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