終わりだと思った?イザナミだ!

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「ちょ、ちょっと待って!」 と詩織ちゃんが優樹くんの腕を掴む。 驚きからか少し声が裏返っていた。 優樹くんは詩織ちゃんには見えない様に 軽くため息を吐き、再び爽やかイケメンスマイルを詩織ちゃんに向けた。 「ごめん。ちょっと彼女と約束あるから急いでるんだ」 あっ、やんわりと彼女いるアピールした。 この慣れた感じを見るとこれが始めてじゃないな?優樹くん。 この言動は優樹くんが目の前にいるのが詩織ちゃんだと思っていないことを詩織ちゃんに気づかせたようだった。 詩織ちゃんは少しだけ笑い、 すぐに悲しそうな表情を作った。 「か、彼女いるんですか?」 「うん。いるよ?」 「どんな人なんですか?」 おぉ!?詩織ちゃん積極的! 優樹くん地雷踏むなよ~? 「う~ん。なんて言うか…… 言葉に棘が多い娘なんだよね。 でもそれは優しさを隠すためと言うか、 素直じゃないだけなんだ。 俺はその棘のある言葉に隠された 優しさと言うか人を想う気持ちに 心奪われちゃったんだよね」 おおっ!?地雷原を華麗に飛び越えた!? 「それに俺のこと好きでいてくれるし」 優樹くんは微笑むように笑った。 それは作り物の笑みよりずっと綺麗だった。 詩織ちゃんは顔を紅くして俯いた。
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