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優樹くんは美しく数回転しながら
顔から地面に落ちた。
普通なら下手したら命に関わるような落ち方だったが優樹くんなので大丈夫だろう。
「あれ……?この感じ……
まさかお前……詩織か……?」
殴られた時の感覚で気づいたよ!
あのライトなM男!
「もっと早く気づけよ」
詩織ちゃんはこめかみに
血管を浮かべながら応えた。
「ごめん。普段の千倍
可愛かったから気づかなかった」
「さっき聞いたよ!」
と詩織ちゃんは地面で横になる優樹くんの
腹につま先を打ち込んだ。
「……真琴のメイク?」
「その通りだけどなんかムカつく!」
詩織ちゃんはまた蹴りを入れた。
なぜ地雷原で踊る!?優樹くん!?
「本当に可愛いよ。詩織」
「あ、ありがと」
優樹くんがやっと踊るのをやめた。
詩織ちゃんが顔を紅くさせてそっぽを向く。
「兄貴は女が髪切ってくると
誰にでもそれ言うよなー」
と、いつの間にかいなくなっていた真琴が優樹くんたちの横を通り過ぎながら言った。
詩織ちゃんのこめかみに
大きな血管が浮かび上がってきた。
真琴!地雷原に石を放り込まないで!!
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