幼なじみは近くて遠くにいるという

2/29
前へ
/714ページ
次へ
校内放送(事故)から3日経った。 俺と幸村の間には会話というものができていた。 俺が話しかけると幸村が返してくれるのだ。 「幸村~?ファッションとかわかる? 昨日真琴と信也に服バカにされてさ~」 「知るか。死ね」 「なんだろ~な?真琴と信也曰く、 飾りが多過いのがカッコいいだとか、 黒い服着てればカッコいいとか、 そんなのガキの発想らしい」 「口臭い。寄るな。3mは離れろ」 「今年のトレンドは青らしいぜ?」 「話しかけるな」 「でも変に青を取り入れ過ぎると、 『自意識過剰で頑張ってますよ~』感が出るらしくて、真琴と信也、ナチュラルに青を取り入れる方法について話してた」 「死ね」 「まぁ、俺にはあいつらがなに言ってるかさっぱりなんだけどな。 ……カーディガンってなに?」 「…………」 「……そういえば真琴の腕治ったって」 「残念。代わりにアンタ、死んで?」 「幸村さ、今欲しいものある?」 「……一人の時間」 「俺と話すの面倒い?」 「嫌いじゃないけど生理的に無理」 ……とこんな感じ。 言葉のキャッチボールって素晴らしいね! ただ向こうの返球が160km位の威力があって俺の心をエグるだけで、本当になごむね!
/714ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7526人が本棚に入れています
本棚に追加