幼なじみは近くて遠くにいるという

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・ ・ ・ 「マジで心にくるザマス」 学校が終わり、 家の中で美咲に愚痴り、深いため息。 目には少しの涙。 「すごいよね~、優樹にあんな態度とる人って今までいないもんね……」 「いや、そうでもないのよ?」 真琴とか真琴とか真琴とか…… たまに悟朗とか信也とか龍とか…… ……やっぱり真琴。 「それはそうと優樹!明日駅前に遊びに行かない?」 「イヤだ」 いきなりの話題転換に動じるとこなく、 間髪入れずに断る。 ……やっぱり俺は真琴と同じ血を引いてるみたいです。 「え~っ、なんで~!」 「自分のことを好きだと言ってる女の子とそう簡単に出かけられるかよ!」 「う~っ!」 美咲が頬を膨らませる。 ちょっとだけドキンとした。 「じゃあ真琴も入れて三人で……」 「いや、あいつは信也と服買いに行くってさ。 本当は俺と悟朗と龍も一緒に行く予定だったんだけど…… あいつらのファッション談議についていこうと、俺と龍と悟朗でとりあえずユニ○ロを『安いだけだよな~』とか『あそこの服はありえないよな~』とか貶してたら、あいつら『やっぱりふたりで行く』って……」 あれは落ち込んだ。 ものすごい落ち込んだ。 俺も龍も悟朗も、 昼休み以降燃え尽きたジョーだったもん。 「そもそも真琴は俺たち三人でだったら絶対来ないだろ」 しつこいようだが うちは男女仲があまりよろしくない。 「あっ、バレた?」 確信犯かよちくしょう .
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