幼なじみは近くて遠くにいるという

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『プリッキュア、プリッキュア、プ~リ~……』 通称虫よけ。 母さんが父さんに電話をかけてきた女性が父さんに好意を持たないように母さんが設定した、40代のおっさんには厳しすぎる待ち歌がしばらく流れる。 そしてブチッという音と共に通話が始まる。 『Hello』 「もしもし父さん?」 『あぁ、優樹か。どうした? 悪いけどちょっとしたら会議だからできれば早く済ませてくれ』 父さんは忙しい。 父さんが副社長をやっている会社が、 2~3年ほど前に『永久電池』という世界的大発明をしたため、父さんと母さんは、俺たちの妹の泉(0才)を連れて世界中を飛び回っている。 『わかった。手短かに言うよ? 次の文の次に着く言葉を答えて下さい』 『ウィーっす』 同意を得たので、緊張感のコントロールのためにフゥっと一息つく。 ……そして問う。 「鳴くよ(794)うぐいす?」 『コォォォォケコッコォォォォォ!!』 見ろよ美咲…… 冗談みたいだろ……? 本気で言ってんだぜ?この人……
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