幼なじみは近くて遠くにいるという

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望遠鏡のレンズはあまり売れないらしく、 少しだけ安くなっていた。 とはいっても普通にそこそこ高いもので6000円ちょっともした。 一般の高校生にはちょっと高い。 でも美咲は迷わずにそれを購入。 大切そうにそれを抱えていた。 なんかその姿が印象的だった。 ・ ・ ・ 「用事はこれで終わり?」 俺がそう聞くと美咲は少し言いにくそうに 「うんん……まだ……」と答えた。 「ちょっとお花買いに行かなくちゃいけなくて……」 「ん?なんで?」 軽く聞き返す。 これはいけなかった。 美咲が言いにくそうな様子だった時に それに気づくべきだった。 「明日……お父さんの命日だから……」 …………本当に俺はダメだな。 .
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