幼なじみは近くて遠くにいるという

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「たっだいま~♪」 「おかえりー」 俺の挨拶にリビングの方から面倒くさそうな返事が返って来た。 「うぃーす」 リビングに入ると ソファーにもたれ掛かっている真琴がいた。 どうもお疲れの様子だ。 「……うわ、なにそれダッさ……」 真琴が俺の姿を見て言った第一声がこれだ。 めんどくさい言い回しをしない辺りガチで言っているのだろう。失礼なことこの上ない。 「なんだよ~!カッコいいだろ~?」 「独創性と独走性だけは認める。 独創性が独り歩きしてらっしゃる。 ……いや、独り突っ走ってらっしゃる」 マジ無礼な奴だ! 「真琴はどんな服買ったんだよ!?」 「ん?Cao○anicと○AREの新作でいい服見つけたからそれ。部屋にあるけど取りに行くのが面倒なんでパスの方向でよろしく」 「チャ○パニック?ハ○?なにそれ?」 「俺のお気に入りのブランド。コスパが結構いいのよ。兄貴はどこ?」 ……そもそもブランドとか気にしたことがない。 「それよりなんで疲れてんだ?」 嘘つこうにもブランド名が ユニ○ロしか出てこなかったので話題変更。 真琴はそこに突っ込んで来るかと思ったが、 意外にも言及することなく俺の質問に答えた。 「あぁ、公園に行ったらボールが落ちてたから信也とサッカーやってたからな」 「えっ?信也が変態的行動に走ってそのせいで逃げ回ってたんじゃないの?」 「……リアルだな」 俺たち兄弟はあと一年もすれば信也は捕まっているだろうと思っている。
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