幼なじみは近くて遠くにいるという

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・ ・ ・ ≪美咲 視点≫ 夜も老け、街中が暗闇に包まれた頃、 私は今日買ったレンズを取り付けた望遠鏡を西の空に向けた。 そして肉眼でも見える1番綺麗な星を捉える。 今日は星が綺麗に出ている。 素晴らしい天体観測日和だ。 ……あの日もこんなだったな…… 私はふとお父さんのお葬式の 翌日の夜のことを思い出した。 その時私は公園で泣いていた。 お父さんは隠れてるだけだって…… きっとどこかにいるはずだって…… 思い出の場所を全部回って…… でもどこにもいなくて…… 私は一人、公園のベンチで泣いていた。
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