彼視点のその過去

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・ ・ ・ 「ねぇ?真琴?大きくなったら結婚してくれる?」 「それは無理。将来の俺、もしくは国の経済事情がどうなってるかわからないし、俺に好きな女の子ができるかもしれないし、お前に他に好きな男ができるかもしれない。 だからそんな無責任なこと約束できない」 「え~~~~~っ!」 「諦めるんだね」 「う~っ!」 「またそれか…………まぁ、さっき言ったやつがなかったら考えといてやるよ」 「ほんと!?」 「俺が嘘をつくわけがないだろう?」 「うん!!」 「おっ……おおう……肯定された……」 「ねぇねぇ?なんで真琴はそんなに大人っぽいの?」 「そうだな……親父とお袋の息子だから。 っていうのがまずひとつだろ?」 「もうひとつは?」 「『妥協』を知ってるからかな?」 「だきょう?」 「大人になるってのは、自分のプライドも夢も私情も全部、社会で生きるためや人のために妥協できるようになることなんだ。だから大人になっても社会や人に迷惑をかける人間はまだまだガキだっていうんだ ……俺は知っちゃったの。妥協…… ……今ではいい友達です。……なーんて」 「……よくわからない」 「わからなくていいことさ。 美咲ちゃんは妥協を知るにはまだ早いよ」 「うん……」 「それより兄貴起こしてゲームしない? 俺、今なんか凄くゲームしたい」 「うん!今日も私、真琴のチームね?」 「ん。了解」 「今日もボッコボコにしてやろうね?」 「おう。泣かせよう」 「うん!」 ・ ・ ・
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