彼視点のその過去

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・ ・ ・ 「あっ、グローブ忘れた」 「おい~!なにやってんだよ~!」 「代わりに俺がグローブになってやろうか?」 「悪い。兄貴、悟郎。先に陣地取っといて」 「おう!」 「いや!なんかツッコんでよ!? お~い!まこっちゃ~ん!行かないで~!」 ・ ・ ・ グローブを取りに教室の前まで戻ると、 教室の中から女子の品のない大きな笑い声が聞こえたので立ち止まった。 ……言い方に毒がある? ……仕様です。 『真琴ってさ~、オマケだよね?』 『うん!だって優樹になにも勝てないじゃん!』 『勝てるのは……陰気さ?』 『『『はははははっ…………!!』』』 ……教室の外まで聞こえますよー? しかしまぁ俺も慣れたものなのでスルー。 別に嫌われようがどうでもいい。 バカにバカと言われるのと同じだ。 ……言い方に毒がある? ……何度でも言おう 仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。仕様です。 『ねぇねぇ?美咲はどう思う?』 『そうそう!幼なじみなんでしょ?』 最近かなり疎遠な幼なじみ。 その本音が気になり聞き耳を立てた。 神など信じないくせに祈りながら。 『うーん…… ……………あまり物?』 笑い声を背に走って逃げた。 そしてトイレに駆け込んだ。 ……別にあいつが兄貴のことを好きになろうがどうでもいい。 ……でもさ? 俺に対する興味そのものまで 捨てることねーだろ? 俺はずっと………… ずっと友達だと思ってたのに………… 俺は親父に『お前は俺たちにとって最も大切な……必要な存在なんだ』と言われた時以来…… ……本気で泣いた。 .
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