俺の日常の中でもちょっと特殊だった一日

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≪優樹視点≫ 「おはよー」 朝起きてリビングに行くと真琴がいた。 いや、兄弟だし一緒の家に住んでるんだし普通に考えて普通なのはわかってる。 「どうした?今日は瑠奈の所行かねーの?」 そういうことだ。 こいつはここ最近毎朝俺が起きる前に彼女である西園寺 瑠奈の所に行って一緒に弁当を作って登校している。だから俺が朝、真琴に会うなんて珍しいことなのだ。 「たまにはそういう日もあるさ」 真琴はそう言いながらキッチンからサラダの入ったボウルを運び出し、机に置いた。 机の上には2人分のトーストとスクランブルエッグが並んでいた。 「……まさかとは思うけどひょっとしてこれお前が作った?」 「逆にこの場に俺以外の誰がいる?」 その通りだ。 「じゃあ美咲は?」 いつもなら俺を起こしに来るはず。 んで美咲の作った朝食を食うのが俺の日課だ。 「今日は俺が無理矢理押し付けた図書委員の仕事があるらしい」 「あぁ……あのダチョウ○楽部的なノリで押しつけたあれか」 「そもそも俺が朝いないのは朝っぱらから高木さんのツラなんて見たくないからだし♪」 「凄まじいこと言うな……お前……」 と、この辺で会話を切って ふたりで朝食の席につく。 まず俺は真琴に 「ありがとう」とお礼だけ言った。 真琴は「習慣だから気にすんな」とちょっと嬉しそうに言った。 ……可愛い奴め! お礼も済んだので、 ふたりで手を合わして 「「いただきます」」と号令してから食事にとりかかる。 トーストにバターを塗って、 その上にサラダとスクランブルエッグを乗せて挟んで食べる。 …………うめぇ。 .
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