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詠がそう言うと、先ほどまで机の前でブー垂れていた○○でありましたが、後ろの書簡をいくつかとると、その案件を解いていきました。
「さぁさ、おにぃさん。やっていきましょー」
それをみていた風は、いつもの定位置、○○の膝の上へとすわり案件を処理する手伝いをしていくのでした。
恋は、その部屋の隅に座り、時折、懐から饅頭を取り出して、それを食べつつ○○を応援しています。
華琳はそんな○○の様子を見まして、そのほのぼのした雰囲気に笑みを浮かべます。そして、華琳自身も机に近付いていきまして、遺書の書かれた紙を取りくしゃくしゃにしてポケットに入れました。
「じゃ、頑張ってね。」
華琳はそう言うと自分の仕事をしに戻っていきました。
<完>
それからというもの○○の仕事ははかどっていきました。
しかしながら、やはり長時間の集中というものは難しいもので、○○は度々膝にすわる風にちょっかいを出したりして詠を起こらせたりしています。
例えば
「ん……あっ」
部屋に、風のなまめかしい声が響きました。
それからも断続的に風のなまめかしい声は響き続けます。
「んっ……んっ……」
「ええんやろ?ここがええんやろ?」
その様子にだんだんと詠の怒り指数が上がっていくのか、顔に怒りのマークが浮かんでいます。詠が怒るのも時間の問題といえましょう。
恋にいたっては飽きたのかその場で丸くなり眠っています。
「あっ……」
「ちょっと! あんた達良い加減にしなさいよ!」
「なんですかー?詠ちゃん」
「ふぅ。なんだよ詠。俺達ちゃんとやってるだろ?」
そうなのです。○○と風は、いやらしい事をしながらもキチンと仕事だけはやっていたのでした。その事がますます詠のイライラを助長させます。
「だからって、仕事中にそんな事していいと思ってるの!?」
「そんなことって何だよ」
「っ……。もう!!」
「詠ちゃん。何をしちゃ悪いのかちゃんと言ってくれないと風たちも分からないですよー。ねぇお兄さん」
風は後ろを振り向きながら、○○に同意を得ようとしました。
詠は、羞恥からなにもいう事ができず、言葉につまってしまいました。
こんなのが○○の仕事風景です。
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