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ここ数日の間で急に現れ、昔からあったようにそこに佇んでいた。
球場と呼ばれ、打ち返し遊び用の広場らしい、と皆は聞いていた。何度か巫女二人や隙間妖怪や閻魔までもが視察に訪れていた。
大妖精は一度だけ入った事がある。もちろんコッソリと。
その時、球場の大きさと広さに驚いた。そしてある願望を抱く。
あそこでプレーをしてみたい。
だが、巫女達は許してはくれないだろう。だが大妖精は諦め切れなかった。
「まーたアレ見てるよ。そんなに見てて楽しいもんかねぇ」
チルノは詰まらなそうに愚痴を零した。
ちょうどその頃、球場のロッカールームでは巫女や妖怪、神達が集まって話していた。
「で、どうすんのよ。この建物」
不機嫌そうにベンチに腰掛けている紅白巫女の博麗 霊夢。その言葉に答えるように扇子の開く音がした。
「今回は異変。あなたの仕事でしょう?」
隙間妖怪の八雲 紫は開いた扇子で自分を扇ぐ。まるで他人事のような態度だ。だが、霊夢は溜め息混じりに言う。
「アンタが居るならサッサとスキマでこれ送っちゃってよ」
「簡単に言わないでよ」
「出来ないの?」
「異変だからねぇ」
するとあるひとりの少女が意見を出した。
妖怪の山の風祝、東風谷 早苗だ。やや固めのボールを霊夢に放った。
「なら野球をしませんか?」
早苗の一言で三つの球団が出来た。後に幻想郷リーグ異変と呼ばれ、稗田 阿求の歴史書に書かれる事になる。
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