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私、定禅寺琴美(じょうぜんじ・ことみ)は痛む頭を押さえてソファーに転がっていた。
窓から差し込む朝の日差しが、これ以上ないってくらい鬱陶しい。
まるで身体中が酢で漬けられたようだ。
症状、二日酔い。原因、失恋。
全くありふれた話だ。テンプレートのようなマンネリな行動。
でも、私にとっては大事な恋だったのだ。
酒を煽って何が悪い!!
そう富士山にでも、チョモランマにでも向かって思い切り叫びたい。
しかし
「ぎもぢわるい……」
私は力なく呟いた。
駄目だ。
思考回路はショート寸前、月の光に導かれ、許容量を越える飲酒をしてしまったようだ。
って、セーラームーンか私は……。
うわ、痛い。痛すぎることを言ってしまった……。
まだ私の頭はアルコールの支配下にあるようだ。
私は痛む頭をポカリと殴ってソファーに顔をうずめた。
「コトちゃーん、ほら朝だよ。さっ、太陽の光でも浴びて元気だして」
朝にしてはテンションの高すぎる声が聞こえて、朝の閃光が目に飛び込んできた。
カーテンが開けられたのだ。
ま、眩しい……。
私は手を持ち上げて目を覆った。
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