真夜中にふと目が覚めたら体が動かなくなってた。

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真夜中にふと目が覚めたら体が動かなくなってた。

  「ふふ………ふ…」 「………」 「ふふふふふ…」 「…………」 「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ負ふふふふふふふふ腑ふふふふふふふふふふふふふふふふ不ふふふふふふふふふふふふふふふ腐ふふふふふふふふふふふふふふふふふ」 「やめろ」 「ふ……えっ?」 「あ、これ口は動くんだ」 「…えっ?えっ?」 「色々と言いたいことあるけど、取り敢えずお前なにしてくれてんの?」 「………ふふ…」 「ふふじゃねぇよボケ」 「」 「今日、会社で朝からかなり重要な会議があるんだよ。社の命運を分けるかもしれない奴」 「…………」 「んで、俺は一応その会議の進行役に選ばれてんの」 「………ふふ」 「なに笑ってんだ身の程をわきまえろ霊的物体」 「………」 「で、だ。とにかく俺は絶対に粗相のないよう万全に万全を期した状態で臨むために、一昨日から今日まで二連の徹夜で会議の要項をまとめていたわけだな。強強打破五本飲んで」 「…………」 「とにもかくにも、再二再三に渡る見直しも終わって、俺は床に着いた。最低でも七時間は寝なくちゃまともに司会役なんてできないからな。そんでもって、ちょうど浅い眠りから深い眠りに……レム睡眠に入りかけたとき」 「体が動かなくなった」 「………」 「おかげで睡眠時間は二時間でストップ。眠気は覚めた。今日は早朝会議。ああなるほどこれは詰んだな」 「……………」 「何してくれてんだ、おい」 「……………」 「これがもし休日なら、俺もここまで怒ったりしねぇよ。ああ、またメンヘラ女が抱きついてんのか、しゃあねぇな、位なモンだ。だが今回は流石にタイミングが良すぎた」 「……………」 「わざとか?」 「!!?」 「今の俺にはこの世の何よりも価値のある睡眠を妨げるために抱きついたのか?」 「ちっ、ちがっ…!わざとなんかじゃ…」 「抱きついてきてわざとじゃなかったも何もないだろ」 「っ………」 「お前らって毎回そうだよな」 「生きてる人間の都合も考えずに、ただ『恨めしい』『憎い』『よくも殺したな』『お前も死ね』『苦しんで死ね』とか宣いやがって。しまいには気色の悪い笑い声まで上げて重度の言語障害でも患ってんのか?あ?」  
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