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うとうとと眠りにつきかけた時、サクラの泣き声でハッと目が覚める。
大粒の涙を流しながら真っ赤になって泣くたび、一緒に泣いてしまいたくなる。
「よーしよし。どちたの?寂しくなっちゃったの?ママはここにいるから、安心して眠って大丈夫だよ。ん?ちょっと暑かったのかな?汗かいてるね。お着替えしましょうね。お着替えして、スッキリしたらよく眠れるよ、大丈夫だよ」
少し湿った肌着は、ほんの30分前に着替えたばかりのものだったが、そんなの気にしない。
「スッキリしたら、ねんねできるよ。良かったね~サクラちゃん」
さらっと流れるような手付きで着替えさせ、抱っこしながらゆっくりと子守唄を歌う。
ねーんねん、ころーりーよー。
おこーろーりーよー
子育てに不安がないなんて事はない。
正解もない。
ただ、私はこの子と向き合っていく自信だけはあるよ。
そう心の中で確信しながら、眠りにつきそうなサクラを抱っこしてゆっくりゆっくり揺らしながら、小さな顔を見つめていた。
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