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産んでしまえば、妊娠した時の事なんて遠い昔のような気がする。
十月十日と言うけれど、一年弱お腹の中に居た我が子でさえ時々遠い存在に感じてしまう事があるんだ。
小さな命が芽生えた瞬間も、ただ苦痛だったエコーから垣間見る白黒の命も、どうしてか忘れてしまっている自分が居る。
幸せを噛み締める余裕があれば、アタシはもっとこの子に愛情を注いであげられたかもしれない。
いや、十分に幸せだった?
それに気付かず、この子や周りのせいにして、自分だけが取り残された気がしてならなかったんだ。
アタシだけ、アタシだけって。
全部子供のせいにして。
そもそもアタシは子供が欲しかったんだっけ?
子供が出来たから結婚して、、、
それから、、、
いや、子供が欲しくて子供が出来たから結婚したんだっけ?
ま、いいや。
どうせ一緒だしね。
順番なんてどーにでも、どーとでもなるでしょ。
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