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現実に目を向けると、そんな理想は瞼の奥にすっと消えてなくなる。
目を開けて、映るこの日常が紛れもない現実だ。
それでも木造のアパートじゃなく、人並みのマンションに住んで子供部屋もあって、節約こそ必要だけど食べるのにほとほと困る生活ではない。
オシャレではないけど、きちんと掃除して、統一感のある清潔な部屋を作り上げる。
アタシの唯一の背伸び。
ほころびない様に、他人からバカにされないように、アタシの城は作られているから。
金持ちは嫌いだ。
金以外も、すべてを欲しがるモンスターだもん。
金も幸せも、持ってるもん全部人が羨むもんで満たされてるのにまだ欲しがるモンスター。
憧れ?
その言葉は使わないで。
羨ましいなんて口にしたらアタシが消えてなくなっちゃうから。
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