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『聞いてんの?』と聞かれ
嫌々でも
口を開くしか無かった。
『私ですけど…』
恐る恐る
か細い声で答えた
その人は
目を見開いたかと思うと
大声で笑って居た。
『??!!』
何が起こったのか
私は
この反応しか出来なかった
そして笑いが治まったのか
『ほらよ』と
タバコとライターを
私に押し付けるかのように
渡してきた
理解不能の私は
口をパクパクさせるしか無かった
その私の様子を見て
笑いながら
『落とし物』と言いながら
屋上を後にした…
なんなんだ?
なんで私を知ってるんだ?!
と思いつつも
誘惑には勝てず
吸おうとした時
ガタッと音を立てて
その人は戻って来た
私はまたビクッとしたけど
平気なフリをしながら
『まだ何か?』と
今度は強気で聞いてみた
フッと笑った後に
『ライターに名前…。
それとお礼はいらないから。
それ一本貰ったし。じゃあね』
柔らかい笑顔を見せて
彼は屋上から消えて行った
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