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「ん~・・・。
なんか,俺もう心折れそう。」
隣では村上がため息をついている。
そして,目の前には未だもめている2人。
「お前は何でもかんでも行き当たりばったりだから,失敗するんだ。」
「反省してるよ。
ていうか,そろそろ卑弥呼さんがこの廊下を通る時間・・・あ。」
「何をしているんです。」
龍馬と義姫の前に立つ卑弥呼。
「・・・何やら廊下が騒がしいと思い,来てみれば。
貴方たち,何のつもりですか。」
問いかける卑弥呼に対し,義姫は笑顔を浮かべると,小さく頭を下げた。
「何って・・・。
あたし,龍馬と付き合うことになったから。
校内を一緒にまわって歩いてただけよ?
五月蠅くしたのは謝るわ。
ゴメンね。」
義姫の隣では龍馬が気まずそうに下を向いている。
卑弥呼は一瞬顔をしかめたが,またいつもの無表情に戻った。
「そうですか。
それは喜ばしいことですね。
では,これで。」
卑弥呼が2人の傍を通り抜けていく。
龍馬は卑弥呼を目で追っていた。
「そうでした。」
卑弥呼が立ち止まり,龍馬の方を向く。
「龍馬。
彼女が出来たのは喜ばしいことですが,生徒会の仕事はきちんとこなすように。」
そういうと,卑弥呼はその場から立ち去っていった。
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