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「泣くなよ,龍馬。」
一方,空き教室では龍馬,義姫,村上の3人が集まっていた。
龍馬は先ほど卑弥呼に言われたことが相当ショックだったのだろう,この教室に入るなり泣き始めた。
村上はそんな龍馬を慰めているが,義姫は慰める気はないのか携帯をいじっている。
「俺,ひッ・・・卑弥呼ざんに嫌われだのがなぁ。
も゛う,話すごとも出来ないのかなぁ゛。」
「いや,そこまではいかないだろ。」
「卑弥呼ざぁん。
村上が嫉妬作戦なんて言うがら。」
村上はため息をついた後,義姫の隣に座った。
「こいつ,どんだけ卑弥呼のこと好きだったんだよ。」
「恐らく,世界で一番,何よりも大好きだろうな。」
「・・・卑弥呼もお疲れ様だなぁ。」
義姫はそう呟くと,床に座ったままの龍馬を見た。
「ん~。
そろそろ,ネタばらし,良いかな?」
「・・・は?」
怪訝そうに顔をしかめる村上。
対して,義姫は満足そうな顔をして村上に向き直った。
「だから,ネタばらし。」
「何の。」
村上は立ったままの義姫を見返す。
「気になるなら,生徒会室に行ってごらん。
龍馬はこのままで良いから。」
「生徒会室?
何でまた。」
「卑弥呼と,醍醐が居るから。」
義姫はそう言うと,龍馬の所に歩いて行った。
「・・・兄貴め,余計なことを言ったな。」
村上が呟いたその一言を聞いた義姫は楽しそうに村上を見て笑った。
「醍醐は何も言ってないよ。」
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